前処置室・検査室・洗浄(準備)室を一体として一方向に運用し、スタッフや他の患者さんとの動線が交わることなく、スムーズな流れのなかで検査を行っています。鎮静剤を使わない通常の経口・経鼻検査では、挿入後より検査終了まで、サブモニターの内視鏡映像を見せながら丁寧な説明を心がけています。また、検査終了時にはカラープリントした所見用紙をお渡し、患者さんの「お薬手帳」に貼付しています。

※ 当院には「日本消化器内視鏡技師会」が認定する消化器内視技師の資格を有する4人のナースが勤務しています。

 

内視鏡検査の詳しい内容

  1. 当院内視鏡検査の特徴
  2. 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
  3. 下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)
  4. 内視鏡検査の料金について

①当院内視鏡検査の特徴

◎患者さんにとって楽な検査を行うこと

・苦痛の少ない経鼻内視鏡検査を行っています。
 ・吐き気の少ない検査です。
 ・検査中に話ができます。
 ・麻酔の量も少なく、検査後30分で水を飲んだり食べたりできます。

・上部・下部を問わず、鎮静剤を使って、軽く眠ったままの検査(鎮静下検査)を行っています。
 検査に対して苦手意識、不安をお持ちの方には朗報です。苦痛を与えませんので、検査医もゆっくり丁寧に観察することができます。
 ※ 検査後はふらつきが残るため、1~2時間程度、休んでいただきます。 ※ 当日、クルマの運転はできません。

鮮明で高画質な内視鏡機器を用いること

・当院では富士フィルムメディカル社の最新の内視鏡装置『LASEREO 7000システム』を導入しています。明るくて鮮明な画像が得られるようになり、以前は見過ごされていたような小さな病変も診断できるようになりました。

より確実な診断、より適切な治療を行うこと

・拡大、画像強調機能:『LASEREO 7000システム』のBLI画像とLCI画像を用いて、より詳細な観察、診断を行います。
・炭酸ガス送気:大腸を炭酸ガスで膨らませて観察します。従来の空気と比べて炭酸ガスはすばやく体内に吸収されるため、検査後のお腹の張りや痛みが軽減されます。
・ウォータージェット機能:腸管内の残渣や粘液を洗い流し、粘膜をきれいな状態にして、丁寧な観察を行います。

②上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

富士フィルムメディカル社の最新レーザー内視鏡スコープ「EG-L580NW7」を導入しています。
木曜日午前中(8-10人)、金曜日早朝(2-3人)、火・木・金曜日午後の大腸検査との同日検査(1-2人)のおよそ12人/週の予定を組みます。
通常の経口検査、経鼻検査、鎮静下検査の3通りから選んでいただきます。これまでの実績では、6:3:1と通常の経口検査を受けられる方が多いようですが、鎮静を希望される方は遠慮なく仰ってください。

検査の流れ

・前日:22時以降のお食事は控えてください。水やお茶など、就寝まで自由です。

・当日来院まで:朝食抜きで来院ください。検査開始の1時間前まで、飲水(水に限る)は可能です。
・前処置:鎮痙剤を筋注します。消泡剤服用に続き、経口検査であれば咽頭麻酔、経鼻検査であれば鼻腔への麻酔を行います。

・検査:挿入時に全身の緊張を抜くことが上手に検査を受けるコツです。こちらで優しく誘導しますので、ご安心ください。正面に説明用のサブモニターがありますので、検査医の説明を聞きながら、ご自身の食道や胃、十二指腸のなかを見ましょう。鎮静下検査の場合、少量の鎮静剤を静脈注射し、全身状態をモニタリングしながら、検査を行います。眠っている間に検査しますので苦痛はありません。

・検査後:検査後の注意事項について、処置室のナースより説明があります。鎮静下検査の場合、鎮静剤の効き目が切れるまで休息していただき、その後で検査の説明を行います。なお、当日は鎮静剤の影響が残る可能性があるため、クルマやバイクの運転はご遠慮いただいています。

※ お時間あられれば、日本消化器内視鏡学会の「上部消化管内視鏡検査と治療」もご覧ください。

 

③下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)

富士フィルムメディカル社の最新レーザー内視鏡スコープ「EC-L600ZP7」を導入しています。カーブトラッキング機能と硬度可変機能が挿入性を増し、拡大観察と画像強調機能の組み合わせが診断をより確かなものにしています。

火・木・金曜日の午後に検査を行います。1-3人/日、およそ6人/週の予定を組みます。
火曜日に内視鏡的ポリープ切除を行い、数日の入院観察を行い、木曜日か金曜日に退院としています。日帰り手術に関しては、病変の大きさや形態等によりますので、ご相談ください。

※ 午後の外来診療を同時に行っていますので、時に検査間の待ち時間が長くなることがあります。申し訳ありませんが、予め、ご了解ください。

検査の流れ

・数日前:
 検査の日程が決まると、検査2、3日前からの緩下剤(酸化マグネシウム)や食事の工夫などをわかりやすく説明します。消化の悪い食べ物を避け、便を柔らかめにしておくと、検査当日の洗腸度が向上します。

・前日:朝食は自由として、昼・夕食は検査食(クリアースルー)を摂っていただきます。21時までに夕食を終え、就寝前に緩下剤(ピコスルファートNa)を飲んでください。

・当日検査前:来院後、腸管洗浄液(マグコロールPまたはモビプレップ)を飲んでいただきます。内視鏡検査前処置室のトイレや2階病室のトイレをご利用ください。

・検査前処置:鎮痙剤を筋注します。鎮静剤を使用する場合、前腕より点滴を開始します。

・検査:肛門の指診の後、スコープを挿入します。全身の力を抜いて、気持ちを楽にして受けましょう。モニターを一緒に見て頂き、説明しながら検査を進めていきます。検査自体は、挿入に5分、観察に15分ほど、計20分ほどで終了します。大腸を膨らます炭酸ガスは吸収されますので、オナラをしなくてもしばらくで楽になります。鎮静下検査の場合、少量の鎮静剤を静脈注射し、全身状態をモニタリングしながら、検査を行います。眠っている間に検査しますので苦痛はありません。

・検査後:検査後の注意事項について、処置室のナースより説明があります。鎮静下検査の場合、鎮静剤の効き目が切れるまで休息していただき、その後で検査の説明を行います。なお、当日は鎮静剤の影響が残る可能性があるため、クルマやバイクの運転はご遠慮いただいています。

※ お時間あられる方は、日本消化器内視鏡学会の「大腸内視鏡検査と治療」もご覧ください。

 

④検査の料金について

内視鏡検査・治療に関わる料金の目安(保険診療3割負担の場合)

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ) 下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)
検査のみ(前処置を含む) 4,000円 検査のみ(前処置を含む) 7,000円
+ 生検と迅速ピロリ菌検査 + 2,000円 + 生検と病理検査(1臓器~3臓器) + 4,000円~12,000円
+ 病理検査(1臓器~2臓器) + 4,000円~8,000円 ポリープ切除(病理検査も含む)、止血術(別日) 30,000円

+ 15,000円

※ 上記は内視鏡検査・治療の大まかな金額です。使用する薬剤の種類や点滴の有無によって変わります。初再診料・薬代・入院費などは含みません。※ 必要に応じてポリープ切除前に胸部X線写真・心電図等の術前検査を行っています。※ 消費税はかかりません。